ヨーロッパ戦間期美術叢書 Ⅰ
アンリ・マティスからオットー・ディクスへ
躍動する古典、爛熟する時代
大久保恭子 池野絢子 増田哲子
山口惠里子 河本真理 池田祐子 (著)
【責任編集】山口惠里子
【企画構成】石井 朗
A5判 上製 280ページ
定価 本体 4,800円+税(総額 5,280円)
《ISBN 978-4-7566-2591-5》
【 12月2日発売/ 予約受付中】
マティスとパリ、キリコとローマ、スロアーガとマドリード、
シッカートとロンドン、ディクスとベルリン、ギュータースローとウィーン、
───新たな〈美〉を創造する芸術的感性の誕生を、
戦間期ヨーロッパの六人の画家と中心的な六つの都市に探る。
内容紹介
マティスからキリコ、そしてディクスへ、パリからローマ、そしてベルリンへ、
戦間期ヨーロッパに躍動する新たな美的感性を探る。
パリとマティス、ローマとキリコ、マドリードとスロアーガ、ロンドンとシッカート、ベルリンとディクス、そしてウィーンとギュータースローという、ヨーロッパの芸術的伝統を内に秘めた戦間期ヨーロッパの中心的な六つの都市と、かつての人間存在の規範を内から穿ち内在する衝動を解き放つ新たな〈生〉の表象を探求した、六人の画家たちについての六本の優れた論攷からなる。
──そこから見えてくるのは、戦間期ヨーロッパの躍動し爛熟した文化が切り拓いた世界の創造のめくるめく映像/ダイナミズムである。そして、第一次世界大戦を経験した各国の芸術家がどのような創造行為に向かったのか、同じ時代を生き抜いた彼らがどのように死の記憶と向きあい、生の痛みと歓びを表現したのかについて考え、そして、今日が直面する悲劇に心を寄せるひとつの契機を視覚化する。
目次
【欧文】
Series Artium inter Duo Bella in Europa I,
CLASSICA MOVENTIA, AETAS MATURA: Da Henri Matisse ad Otto Dix
プロローグ 戦禍のなかで (山口惠里子)
第1章 アンリ・マティス
──ニースにおける「印象派」との再会 (大久保恭子)
第2章 「われ古典的画家なり」
──ジョルジョ・デ・キリコの『ヴァローリ・プラスティチ』時代 (池野絢子)
第3章 熱狂と反発のはざまで
──イグナシオ・スロアーガの「スペイン像」 (増田哲子)
第4章 アンニュイとピエロ
──ウォルター・シッカートの「ドラマティックな真実」 (山口惠里子)
第5章 ヴァイマル期ドイツの〈狂乱の時代〉と残存する戦争
──オットー・ディクスの戦争と三連画《大都会》 (河本真理)
第6章 アルベルト・パリス・ギュータースロー
──ウィーン・モダンのプリズムと幻想的リアリズム (池田祐子)
エピローグ 創造のなかで (山口惠里子)
註
図版出典
人名索引
著者
大久保恭子 (京都橘大学発達教育学部教授/フランス近現代美術史)
池野絢子 (青山学院大学文学部准教授/イタリア近現代美術史)
増田哲子 (北海道大学メディア・コミュニケーション研究院准教授/スペイン美術史)
山口惠里子 (筑波大学人文社会系教授/イギリス美術史)
河本真理 (日本女子大学国際文化学部教授/ヨーロッパ近現代美術史)
池田祐子 (三菱一号館美術館館長/ドイツ語圏近代美術・デザイン史)
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【責任編集】山口惠里子
【企画構成】石井 朗(表象芸術論)
【装 幀】中本 光(デザイン論・形象学)