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碩学の旅 Ⅳ マリオ・プラーツ都市文化論

建築と美術と文学と

古都ウィーンの黄昏

マリオ・プラーツ (著)​
伊藤博明 
金山弘昌 新保淳乃 (訳)

【責任編集】新保淳乃
企画構成】石井 朗

A5判 並製 272ページ

定価 本体 3,600円+税(総額 3,960円)

《ISBN 978-4-7566-2489-5》

【 在庫あり / ご注文方法

永遠の都ローマを知り尽くした碩学が、

古の栄光に導かれ、かつては光輝いていた

東欧から中欧の古都を旅し、

何気ない広場や街路や佇まいに秘められた、

時空を超えた深い歴史的意味と、

栄枯盛衰への哀悼と芸術的精華を語る、珠玉のエッセイ集!

​内容紹介

永遠の都ローマを知り尽くした碩学が、東欧から中欧のかつて光輝いていた栄光の古都を旅し、

深い歴史的意味と芸術的精華を語る!

ロンドンは一六六六年の大火のあとに再建された近代のメトロポリスであり、パリは第二帝政期の都市大改造の結果であるのと同様に、ウィーンがいまの姿になったのはオーストリア‐ハンガリー二重帝国の時代であった。一八五八年から一三世紀に遡る市壁がとりこわされ、その跡に開通したリンクシュトラーセに沿って、官庁や文化施設がさまざまな歴史様式をまといたちあがった。幅が広く複数車線の環状道路にトラムが通り、郊外の工業地帯に向かう鉄道駅を結び、一八九八年からはドナウ運河沿いの掘割を都市鉄道が走りはじめた。

 こうした近代化を遂げていながら、リンクより内側の歴史的街区は一四世紀以来のハプスブルク家の都としての相貌をかろうじて保ち、「神の思し召し」により二つの大戦をくぐり抜けたバロックやロココの聖堂、修道院、新古典主義様式の貴族の邸館が、ゆるやかに湾曲する都市のファサードをつくっている。そこには、定規をつかって引かれた理念的な街並みとはちがう、そぞろ歩く人びとを迎えいれる親密さが漂っていた。

 戦後の復興が国や地域によりおおきな差異を孕みつつ進んでいった時代に、プラーツはかつて帝国が支配した東欧と中欧の古都におもむいた。プラーツの〈眼〉に映る古都の景観の奥に秘められた心象に、縦横無尽に文学と美術を召還し変幻自在に紡ぎだされる言葉により、新古典主義のファサードの奥から、ロココの爛熟が、ロマン主義の清冽な香りが、ビーダーマイヤーの親密な日常がわたしたちの目の前によみがえることであろう。

目次

【欧文】

I viaggi dell’erudito IV,

VIENNA: Architettura, Arte e Letteratura

プロローグ ───マリオ・プラーツの東欧と中欧への旅

微笑みの世紀

古都ウィーンの黄昏

オーストリアの日々

最後の君主たち

トルストイの家への巡礼

モスクワの歩行者

伝統的なロシア

ロシアにある美術の至宝

ワルシャワ

クラクフ

ポーランドのヴィッラ

トリエステの二つの相貌

ミラマーレでの幻影

エピローグ ───マリオ・プラーツと旅する芸術

人名・作品名 索引

著者

マリオ・プラーツ

(1896−1982)

 

二〇世紀イタリアを代表する文学/美術の研究者、名エッセイスト

訳者

                伊藤博明(専修大学文学部教授/イタリア思想史)

                金山弘昌(慶應義塾大学文学部教授/イタリア美術史)

                新保淳乃(武蔵大学文学部講師/イタリア美術史)

                          ***

                【責任編集】新保淳乃

                【企画構成】石井 朗(表象芸術論)

                【装  幀】中本 光(デザイン論・形象学)

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